墓参り

 今日、両親が 母親の実家の墓参りに、さっき出かけた

 父親は今日も仕事だったので、午後4時20分に帰ってくると、ウチで身支度を済ませた母と一諸に電車で里帰りだ。

 こんなとき 車が あれば便利なんだけど、生憎ウチの家族で車の免許を持っているのは僕だけだから仕方がない。

 僕も数年前までは 車を所有していたけど、いまは こんな状態だからなあ


 そんなことよりも 僕には 母親達が 墓参りのついでに親戚の家に寄るということが気になる


 ウチの両親は 馬鹿がつくほど正直で 不器用者なので 親戚に 息子は いま どうしてる? なんて聞かれたら「働かずに家にいる」と答えるだろう


 まあ、そのとおりなんだから 仕方が ないんだろうけど、ちょっとは息子の気持ちを考えてほしい


 僕が こんなふうになったのは少なからず おまえたちのせいだろう‥って


 母親は僕が幼い頃から 心を病んでいて ことあるごとに わけの分からないことばかり言ってたじゃないか


 お笑い芸人の鳥居みゆきより支離滅裂なこと言ってたぞ

 てか 鳥居みゆきは演技で やってるらしいけど‥


 ウチの母親は 本気で 狂人だったから 昔は


 僕が中学2年のとき母親の分裂が とうとう手をつけられないくらいに酷くなって 父親が 自分の兄弟呼んで
暴れ狂う母親を大の男3人がかりで タクシーに乗せて
精神病棟〔モラトリアム〕に連れてったよな


 そして母親だけ そのまま3カ月程、刑務所さながらの灰色の壁と鉄格子に包まれた殺風景な部屋で 無為な時間を過ごしたろ


 そんなふうに母親の精神を蝕んだのも 元はといえば
母親の家庭の生活環境が悪かったからじゃないのか?


 自分で ことあるごとに僕にそう言って聞かせたじゃないか


 それでも やっぱり行くんだね


 でも いくら憎しみを抱いていたとしても親は親なんだ

 母は口に出さないけど、やっぱり おばあちゃんには感謝してるんだね

 なんだか ほっと したよ

 
 僕は いつか きっと いままでに自分の気持ちを書いた この日記を両親に見せてやろうと思う


 僕も 不器用な人間だから 両親に いままで 気持ちを話したことがないから


 さて、両親が 帰ってきたときの為に やきそばでも作るか