メガザル(精神病院脱出)

 こんばんは、末期です。

この前、僕の現在の所持金3万1600円だと公開したんだけど、財布のなかにイマ、6000円弱しかないので、ネカフェに通う事が出来るのも、残り あとわずかになりました。


 昼間、あまりにも暇すぎたので、つい昔のくせで 新大阪の「リッチドール」っていうピンサロに行ってしまったんだ。
 昨日、性欲が失くなったって話した矢先なのに本当にごめん。  

 もし僕が この告白を最後まで全部書き終えるまでに所持金が尽きた場合は、この象牙の塔の人の誰かが 僕の代わりに最後まで完成させてくれるはずだから‥


   だから心配しないで‥


 
 続き書きます。あの後、父は すぐにタクシーを呼び抵抗する僕の体を羽交い締めにし、タクシーに無理矢理押し込みました。

 いくら僕が33歳で まだ若いと言っても家に引きこもっているニートが、現役で仕事をしている父に力で勝てるわけがありません。  

  情けなくて涙が出ました


 それで、タクシーに乗り込んでからは みんな無言で
僕はただタクシーの窓から見える懐かしい昼の風景を楽しんでいました。


 数十分程して、タクシーは目的の精神病塔に到着しました。

 精神病棟の外観は一見何の変哲もない、どこにでもよくある風貌をしていましたが、決定的に違うところは、病院の外周を鉄線で張り巡らせていて、それは刑務所を連想させました。  ある事件で、拘留された事はあるけど、檻のなかにはまだ入った事はないんだけどね。


 まあ それはともかく こうして僕は とううとう精神病棟に入れられる羽目になったんだけど父親が受け付けで入院の手続きを済ませている間に、病院を抜け出して近くに放置してあったカギのかかっていない自転車に乗って遠くまで逃げました。


 車の運転の出来ない父は、それ以上追いかける事は出来ず、50m 進んだところで、後ろを振り向いたら ハトが豆鉄砲をくらったような顔をして口をあんぐりさせていました。   ざまーみろです。


 それから僕は何時間も自転車をこぎました。

 ずいぶん遠くまで来たと思います。


 電柱の広告に「貸します、3万まで」とか  

 「即融資、電話一本」とか裏金融業者の広告が貼りついていました。


 家を出るときに お金を持ってこなかったので‥ いや財布を持っていたところで千円札が1枚と100円玉が3枚
、1円玉が大量に入っているだけです。


 僕は公衆電話の前に立ち止まると ズボンのポケットのなかに入っていた10円玉を取り出して一か八か その金融業者に連絡をとります


 何度か呼び出しのベルが鳴った後、ドスの効いた男の人が出ました

 
 ‥そして少々の交渉の後、なんと お金を貸してくれるとの事


  神様は こんなとこにいました、サンキュー



 そして 僕は電話で指示された事務所まで自転車で行き、何やら契約所やら 念書やらを書かされた後、その場で茶封筒を渡されました。


 封筒のなかには4万円入っていました。 僕は そのお金で、安く泊まれる簡易宿泊施設を探したのですが、ネット環境の整ったところは ひとつもなく、あえなく当初予定していたネットカフェに泊まる事になったのです。



 気分は今流行の「ネットカフェ難民」です


 そんな浮かれ気分も束の間で、まもなく僕は これからの行く末についての心配や、不安 恐怖が襲ってきました


  家に電話をかけて父にあやまろうか?とも思いましたが、今回も それは無理みたいです。


 だから当分 金が尽きるまでは昼は街をぶらぶらし、夜はネカフェで朝まで過ごすことにしました。



 その後は みなさんの知っているとおりです


 現在所持金は3000円と小銭少々で もう明日1日ネカフェに泊まったら資金も尽きてしまいます



  なので 僕は明日、ネカフェのPCから家のPCを リモートコントロールして 最後のファイルを取り出して exeを実行してみたいと思います




              それでは、もう寝ます


                        おやすみ